オフィスのAV設備 歴史の変遷

バンブー社長

こんにちは、バンブー社長です。
今回は、いつも仕事でお世話になっている
映像システムの岡部さんに執筆していただいたコラムを紹介します。        

経験豊富な岡部さんの、AV設備の解説は非常に分かりやすく、
全てのオフィスづくりに携わる人にとって有益な情報になると思います。      

未来を想像しながら、昔を懐かしみながら、
皆さんがこのコラムを楽しんで頂ければ凄く嬉しいです。^^  

ご挨拶

はじめまして、株式会社 映像システム の岡部と申します。

SPINNA BAMBOO社長の新村さんとは
数年前、日比谷の新築ビルへのオフィス移転プロジェクトで一緒に共闘した仲です。

それは、新築ビルに8000坪を超えるオフィスを構築するという超大型案件でした。
その案件で、新村さんはプロジェクトマネージャーとして全体監理を任されていました。

当時、彼の調整業務が多岐に渡り、
それぞれの難易度も高かった事は私から見ても明らかでしたが
常に、課題に真摯に向き合う姿に感心したことを、今でも覚えています。


「業界やAV設備の歴史について、BAMBOOコラムに執筆して頂けないでしょうか?」
そんな新村さんからのリクエストは、なかなかのキラーパスでしたが(笑)
共闘した仲間からの頼み事ですので、お引き受けしました。

私のコラムでは、
主にAV機器の歴史(懐かしいと思われる方も多いでしょう)、
また、これらAV設備はどの様に構築されているのかを記していきたいと思います。

皆様のオフィスづくりにとって有益な情報発信となれば幸いです。

AV設備とは

私たちは、企業の会議室やエントランス、大学の講義室や講堂などに設備される映像・音響システムを
企画・提案・コンサルティングし、実際にインストール・メンテナンスまで行なっています。

企業としては50周年を超えました、
私が入社した頃の時代、AV設備は非常に物珍しい設備で、
且つ、数ミリ単位の細かな設置寸法を守らねばならない、
「面倒な設備」 と煙たがられていました。

それが今では、
ニーズが高まるどころか必須設備として認知されています。

機器の種類や、その導入方法にも様々な選択肢があり、
設置場所や運用方法も多岐に渡るようになりました。

建設業界においても、ワークスタイルにおいても
非常に重要な設備インフラとして定着したという実感を持っています。

その中で、私は主にシステム設計・コンサル業務に携わっています。
 プレゼン、TV・Web会議、ウェビナー、デジタルサイネージ、
 会議室予約、同時通訳、監視カメラ、BGM、館内放送、
 サウンドマスキング、マッピング(これはエンタメか)・・・ 

これらよく耳にする設備には、AV設備が不可欠です。

五感から得る情報

人は様々な情報をもとに判断し活動する、その情報は五感から得ています。

五感は、
【視覚】からの情報が8割以上を占めます。

そして
【視覚】【聴覚】から得る情報は約9割を占めるといいます。

AV設備では、この「2大情報」を用いて
スピーディな情報の伝達や流布・共有の手助けを行うもので、
より簡便で効率的にそれらが行える手助けを行っている、というイメージです。

利便性の追求のみならず、時には、アートやエンタメ系への発想も持ち合わせ、
永く記憶に残るスペースやシステムを提供できる思いも持ち合わせています。

映像・音響設備の進化

バブル後の1990年代からの30年間を
「失われた30年」と言われているのを、よく目や耳にします。

これについて少し調べてみました。

 ・この30年の株価は、日本:横這い、に対し、アメリカ:8倍 に上がった

 ・アメリカの「フォーチュン」誌が発表する、グローバル企業の収益ランキング・ベスト500において、
  日本企業のランキング入り会社数が、1990年:100社、2019年:50社 に半減

 ・スイスの国際経営開発研究所「IMD」が毎年発表している「国際競争力ランキング」では、
  1990年:日本が第1位、2022年:34位

この異常とも言える状態を見ると、
「失われた30年」という言葉も頷けます。

しかし、実生活上で極端に貧しくなったという実感はなく、
ましてやここ30年、映像音響機器は実際に目紛るしく進化を遂げているのも実状です。


そんなAV主要機器の進化の歴史を少し振り返りたいと思います。

プロジェクターの歴史

モニターの歴史

スピーカーの歴史

AVソースの歴史

AV設備の導入プロセス

AVシステムの構築に当たり必要な知識は、これら様々なAV機器の歴史を踏まえ、
まず各種メーカーの現ラインナップや機能を頭に入れることです。

次にユーザーが何を求めているのかを把握し、
それにマッチングさせる意識が必要になります。
システム構築のご提案は、以下の流れとなります。

システム構築

 ・具体的な使い勝手を既存用途等を参考に、新たな要望も吸い上げ現状分析する

 ・実ユーザーや元請けと協議・対話し インプット情報を得て要件整理する

 ・メーカー販社とも相談し、相手に伝わる様 システム構成と使い勝手をアウトプットしていく

 ・時にはデモなどを実施し、実機に触れ、実際の絵や音を見て決める

 ・それらを元に協議を重ね、バジェットとコストバランスを加味してブラッシュアップしていく

 ・簡便なオペレーションに向け、用いるべきソフトウェアやソリューションを検討、提案する

システムが固まると、次は実際の機器導入(現場施工)に向けて
具体的な設置方法・建築内装との納まりを詳細に詰めていく事になります。

機器導入

 ・ 現場工程を念頭に AV設備工事の大工程を決めて、プロジェクトを進行させる

 ・ 対象スペースの建築情報を元に、各機器設置方法 や 工事区分を決める

 ・ 上記を元に デザイナ や 各工事関係者と 納まり や 取り合いを協議し、依頼内容を纏める  

 ・ 現場総合図へのプロットを行い、プロジェクト全社にて各社機器の配置や区分等の共有を図る

 ・ 施主用意品、転用品、別途工事などは予め整理し、然るべく担当者へ漏れなきよう伝達していく

 ・ 最終見積とシステム内容を伝え、承認の上オーダーをいただく

案件にもよりますが、
これらのタスクを数ヶ月から1年程の期間の間に、
ユーザー/施工関係者 側 の双方の意見を抽出し、
如何にスムースに纏め導いていけるかが、良き設備会社の大事なファクターと考えます。

これからのAV設備

民間のテレビは8K放送へ移っていくと思うが、
業務利用でのプロジェクタやモニタにおいてはPC画像を共有する用途にて、
2、4Kでの利用でも特段不便はなく8Kに上げる必要はないと思う。

LEDディスプレイがもっと普及して安価になれば、カベ全体をディスプレイにすることも叶い、
離れた各拠点を等身大に表示し、あたかも同一空間で働いているような空間も作れるであろう。

ヘッドマウントディスプレイや透明液晶、各種センサー、音声認識等の技術を絡めて、
「マイノリティリポート」のトムクルーズの様に、様々な情報を次々と目の前に表示し、
情報を検索し共有できる時代、もそう遠くはないと思います。

AV Over IP や Dante といった、
映像や音声、制御信号をネットワークで送信する技術が定着し、
AV設備機器はLANだけで繋がることでシステム構成は今まで以上に簡素化し、
ITとAVの垣根は更に無くなっていくことでしょう。

それは、ネットワークの知識が今以上に必要になる事も意味しています...

もしコロナによるパンデミックが無かったら、
これ程まで早くWeb会議が普及されなかったはずです。
結果的に多様な働き方や考え方を強制的に実感することで、相応に定着した感があります。

この様に設備は、様々な要因から求められ進化しますので、
今後も日々アンテナを広げて過ごす必要性を感じながら、日々過ごしています。
利用場所や煩わしい機器の準備に縛られず、より簡便に使えるシステム作りを今後も目指していきます。

最後に少しだけ、私の会社を紹介させて頂きます。

【与件整理・ご提案】 ➡ 【システム構築・設計】 ➡ 【インストール・現場施工】 ➡ 【保守・メンテナンス】 

ユーザーニーズとスペース用途にマッチしたAVシステムを提供する株式会社映像システムは
AV設備に関わる一連の業務を一気通貫のサービスとして提供する会社です。

「映像」といいながら、
音響設備、ネットワーク機器、操作・コントロール機器も組み合わせたトータルプロデュースを得意としています。
皆さまのオフィスづくりにお役立てできる事がございましたら、お声がけ頂ければ幸いです。

岡部 修久
理系高校&大学を卒業後、バブルがはじけた頃 映像システムに入社
主な業務:プロジェクト総合管理 システムコンサルティング、システム設計

過去担当案件(設計業務) 
・日本HP東京本社 新設工事
・NHN Japan 移転プロジェクト
・Carl ZEISS 移転プロジェクト
・青山学院大学 改修プロジェクト
・Bloomberg リニューアルプロジェクト

過去担当案件(コンサルティング業務)
 ・日産テクニカルセンター 新設工事
 ・Microsoft 移転プロジェクト
 ・マッキャンWG 移転プロジェクト
 ・NN生命保険
 ・旭化成 ミッドタウン日比谷 本社移転プロジェクト



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