判断する責任

Bambooコラム

Bamboo社長のプロジェクトマネジメント論
<コンサルティング>

こんにちは、バンブー社長です。
本日は「判断する責任」というテーマでお話したいと思います。

<プロジェクトマネージャーの判断>
プロジェクトマネジメントという仕事は「判断する」というアクションの連続です。
そして、実はその「判断材料」が十分に揃っている状況は、ほとんどありません。
例えばプロジェクトの序盤でマスタースケジュール(プロジェクト全体の予定表)や
バジェット(プロジェクト全体の予算書)を作成する時、私は以下のように考えます。

「これくらいの期間に、これくらいの提案をしていけば、経営承認まで進むことができそうかな?」
「デザインに対してのこだわり、必要な設備、そしてビル側施工会社の性質を鑑みると工事コスト・工事期間は、これくらいが妥当だろう」
「影響の大きい未確定事項が〇〇と××に残っているので、この程度のバッファを持っておく必要があるな」

つまり、数回お客様からヒヤリングした程度の情報を元に、
あとは自分の経験値を頼りに仮設で組立ているのが実態です。
根拠は揃っていないが、道筋を0→1で考えて、その目標にコミットする。
それが、プロジェクトマネージャーのディレクション手法です。

<発注者の判断>
変革の時代に新しいオフィスを構築する事は、その企業の未来のイノベーションを意味します。
その為、プロジェクトマネージャーや設計者からの提案も、あくまで判断材料でしかありません。
それが自社にとって完璧に正しいか? 
ネガティブ要素は全て排除できていているのか?
残念ながら、そんな100%の決断ができるような根拠は、誰にも用意する事ができません。
つまり、発注者側も情報の足りない中で「判断」を迫られてしまう事になります。

もちろん、前述のような0→1ではなく、ある程度の検討材料が揃っている事にはなりますが、
それでも、決断するハードルは、十数年前に比べて遥かに高くなっている事は間違いありません。
そして、判断根拠の精度はプロジェクトマネージャーの提案力に委ねられる部分も大きいです。

<判断する責任>
発注者も、プロジェクトマネージャーも設計者も、そして工事請負会社も、
それぞれが自己責任で「双方向の判断」をしていかなければプロジェクトは進みません。
関係各社がそれぞれが【判断する責任】を持っていて、その調和が崩れてしまうと全体に悪影響与えます。
残念ながら、このようなボトルネックは常に発生してしまいますが、
それを早急に見極めて、スピーディーな血流改善の実施もプロジェクトマネージャーの大切な役割です。

だからこそプロジェクトマネージャーの経験値・提案力・実力は、非常に重要なのです!

最後に、
<判断する事の重要性>
企業が大きくなればなるほど、過去の成功実績が素晴らしいほど、
経営者は失敗しない(ノーリスクを前提とした)計画を部下に求めるようになっていきます。
99%失敗しない計画でなければ承認できない上層部ばかりになってしまします。
でも、99%失敗しない計画にYes/Noの判断をする事は小学生にだって出来ますよね?
それならば小学生を役員に就任させた方が、よっぽど日本の未来に貢献します。笑

英語で責任【responsibility】は、回答(判断)する能力【response+ability】が語源だと言われています。
イノベーションがベンチャーから多く生まれる理由。
クリエイティブな人材がスタートアップでチャレンジする理由は、
こういった「判断する責任」に対しての意識の違いにあり、
そこから逃げてしまっていてはフランケンシュタイン症候群に陥ってしまいます。
破壊的技術革新の世代において、誰もが意識的に持つべきマインドだと考えています。

SPINNA BAMBOOは、皆様の「判断する責任」に全力で貢献する事を常に意識して、
関係各社の中心に立った総合的なマネジメントを実施する事でバリューUPを達成する会社です。

読んでいただき、ありがとうございました!

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