エシカルな消費 エシカルな仕事

エシカルなワークスタイル

こんにちは、バンブー社長です。
昨年末にある企業の社長から、ご実家の農家で採れた野菜を大量に頂きました。
芋、ゴボウ、ニンニク、人参など、スーパーで買えるものとは全くの別物でした。
特に山芋は「リンゴ?」と思うくらい甘みがあり、とろろご飯は超絶に美味しかった‼

深刻な農業従事者の高齢化、後継者不足が叫ばれ続けている中で、
このような贅沢を味わえた事に感謝しなければなりませんね。
ご馳走様でしたー! 

農業は、工業に比べて生産の効率化が難しいと言われています。
工業ならば、素材ごと・パーツごと、といった「分業」ができますが、農業にはそれが当てはまりません。

工業/農業

 <工業> ※原材料を加工する・部品を作る・組立てる など
  ・それぞれのタスクを、異なる場所で実施できる。
  ・それぞれのタスクを、同時進行で実施できる。

 <農業> ※耕す・種をまく・収穫する など
  ・それぞれのタスクを、同じ場所で実施しなければならない。
  ・それぞれのタスクを、限定された時期に実施しなければならない。

早い時代に工業化した国の方が、現代においても豊かな国です。
社会の発展に工業の生産性向上(この場合は分業)の貢献が大きかった証拠です。
でも、このまま人口増加が進めば、近い将来に食料不足が起こるのは明確です。


環境問題やSDGsへの関心も重なり、
動物の肉を使用する事なく、豆や植物を原料として、肉の見た目や味を再現する代替肉を研究・開発している
ビヨンドミートのような企業へのESG投資<環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)>が急成長しました。

ほんの数年前までは、オフィスづくりのキーワード生産性の向上でしたが、
今は、自分や関係各社の事ばかり考えていないで、社会や、地域や、環境についての課題をクリアしていく企業を目指しましょう!
それこそが、サステナブル(持続可能)な企業だぜ!要するに、企業全体としてミラクルマインドを持ちましょう!って事ですね。
⇒2022年のミラクルマインド

そして、建築業界やオフィスづくりにも

「Ethical(倫理的)な消費」というコンセプトが聞かれるようになりました。

建築業界なんて無駄遣いの温床だぜ。

例えば、オフィスを賃貸借契約する時のタイルカーペット(ビル標準)なんて
だいたい入居テナントのオフィスデザインに合わせて別の商品に張り替えるからな。
その時、半分以上の新品を捨てる事だってざらにあるぞ。
それで数年後にテナントが退去する時には、また新品のビル標準に貼り替えるんだ。
それでまた、次のテナントのデザインに合わせて、新品のまま大量に捨てるんだ。
まあ、俺たち工事会社は儲かるんだけどよ。
正直なところ、ちょっと罪悪感もあるな。

そもそも、タイルカーペットなんて、
とかグレーみたいなビル標準品で始めから貼っておく必要ないですよ。
同ランク商品(ビル標準品グレード)ならば、
でもでもでもピンクでも値段は一緒です。

ならば、
貸付整備工事としてテナントが希望する色のカーペットを貼ってあげる。
または、
タイルカーペットは貼らずに賃貸借して、退去時もその状態に戻す条件にする。

その方が、入居テナントにも環境にも優しいですよね。

これって、多くの人が、その無駄を理屈では分かっていても

「床も綺麗に仕上がっている状態でなければ、お客様に見せられない。」
 と、考える、不動産会社さんとか。

「床も綺麗に仕上がっている状態でなければ、ここを契約するか判断できない。」
 と、考える、借手の会社の社長さんとか。

そういう人達への配慮が、常識として定着している悪循環です。

これからは、
このように営利を求めすぎて、手段を選ばない企業は淘汰されていきます。


そういう思想が「Ethical(倫理的)な消費」であり、
それは生産性の向上経済成長よりも上位概念に変わりました。

エシカル

Ethicalワークスタイルの目線でとらえると、環境問題に加えてダイバーシティや個人の健康も同軸で考えられます。
但し、この3つは、その概念のサイズ感が全然違うので、同一カテゴリーとして腑に落ちない人もいるのではないでしょうか?

<環境問題>

未来の事も考えた、
地球全体の

マクロな枠組み

<ダイバーシティ>

働く環境や
日常生活の

コミュニティの枠組み

<健康>

自分や家族など


パーソナルな枠組み

確かに、環境問題は規模感が大きすぎて理解が難しいですよね。

例えば、カーボンオフセット「環境への投資」
という具体的なアクションに対しての費用対効果が理解できていなければ、
「取り急ぎお金を払うことで解決しているだけでは?」という偏見に繋がってしまいます。

↑仕組みを否定しているのではありません。
個人のレベルでは想像するのが難しいスケールだと言いたいだけです。

その為、健康ダイバーシティへの意識は、
若手から中間層にも浸透しやすい一方で、
環境問題に対しての高い意識を持つのは、
どうしても一定規模以上の経営者層の方が多くなってしまいます。

もちろん、誰でも環境問題超重要事項である事を理屈では分かっています。

健康 ⇒ ダイバーシティ ⇒ 環境問題 

と、徐々に利他的な感覚を広げて、
カーボンオフセットのような仕組みへも理解も深め、
具体的な行動を増やしていかなければなりません。

そんなド正論は言われなくても分かってるよ!

そのツッコミが入ると思っていました。^^;
要するに、言いたいのは、私たちは苦戦しているって事です。
仕事、ワークスタイル、オフィスに求める概念が指数関数的な勢いで広がっていく。
それはイコール抽象度も高くなっていく事になるので、
その感覚をタイムリー持ち続けるのが、みんな大変なんですよね。(><)

Bambooコラム

これからは、オフィスづくりにおいても、
エシカルワークというコンセプトが広く求められていくでしょう。

ただ、このような抽象的な概念を、
同じ温度感で、同じ目線で、共通理解するのが非常に難しいのは容易に想像できます。

でも、曖昧なままでは、理解している風では、
企業もワーカーもドコに向かって進んでいるのか分からなくなってしまいます。

私たちは、
このような次から次へと生まれてくる概念ワードに囚われすぎないようにして、
仲間や関係者と丁寧にステップbyステップの理解を重ねていくことが大切です。

色々と難しい言葉が増え、
複雑な概念への対応を求められる世の中ですが、
2023年も一緒に楽しく、
地球という共通財産のファシリティマネジメントをしましょう!

10年後にも、美味しい野菜が食べられるように。^^

Bambooコラム

新村裕介
株式会社SPINNA BAMBOO 代表取締役

飲食店の調理師、店舗の工事会社、大手不動産系列の建築デザイン会社、大手什器メーカーのPM部門を経て、
2022年8月 株式会社SPINNA BAMBOOを設立。
ブランドショップの工事担当から、オフィスづくりの法人営業、ビル改修のコンストラクションマネージャー、
総予算100億円を超えるオフィス移転のプロジェクトマネージャーまで、多種多様な実績を積んできました。
この長年の経験を活かして、常にプロジェクトの入口から出口までの一気通貫した全体視野を持ちながらも
それぞれのステージに必要な役割に特化した、専門性の高いパフォーマンスを発揮します。
また、某大手IT企業での総務マネージャー経験もある為、インハウスの目線で課題を掴む事も得意です。

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